メインコンテンツへスキップ
おすすめ日記アプリ
レビュー 12分で読める

本当に暗号化されている日記アプリ4選|2026年版

2026年版・本当にエンドツーエンド暗号化されている日記アプリ。OwnJournal、Day One、Apple Journal、Journeyをプライバシー・価格・対応プラットフォームで比較。

本当に暗号化されている日記アプリ4選|2026年版

暗号化で選ぶベスト(ひと目で結論)

  • 🏆 総合でいちばん: OwnJournal ── ゼロ知識、オープンソース、日記は自分のクラウドに残る
  • ✍️ 主流アプリでいちばん: Day One ── デフォルトでE2EE、第三者監査済み、書き心地は一級品
  • 🍎 Apple派に無料でいちばん: Apple Journal ── iPhone・iPad・Macで常時E2EE
  • 🌐 LinuxやWindowsで使うなら: Journey ── Linuxネイティブアプリがあるのはここだけ。E2EEはオプトイン

次点: Standard NotesObsidian ── 本来はメモアプリですが、監査済みの暗号化を最優先したい方には日記用途でも十分使えます。

目次へ: 比較表 · 選び方 · 注目の新興アプリ · E2EEではないアプリ

本音をそっと書きとめたはずの日記が、実は運営会社の中の人にも読まれている——そう想像してモヤモヤしたことはありませんか。

弱音や愚痴、誰にも言えない迷い。書く相手が「自分だけ」のつもりでも、サーバーの向こう側にもう一人読み手がいるのなら、書き出す勇気は静かに削られていきます。

本記事では、2026年時点で本当に「あなたしか読めない」と言える日記アプリ4本を取り上げ、「暗号化」という言葉が実際には何を指しているのかを整理します。

各社のセキュリティページと公開資料を2026年4月に照合した内容です。

くわしく見ていきましょう。

仕組みの資料までそろっているエンドツーエンド暗号化(E2EE)の日記アプリは、現時点で4つ。OwnJournalDay OneApple Journal、そしてJourneyです。

このうち3つは無料プランでもデフォルトでE2EEが有効。オプトイン方式なのはJourneyだけです。

DeepJournalやCortexOSといった新興アプリもE2EEを掲げていますが、アーキテクチャに関する公開資料はまだ薄め。「暗号化」「安全」と謳う他の多くは、通信時か保存時の暗号化どまりで、肝心の鍵は会社が握ったままです。

実はここが、同じ「暗号化」という言葉でいちばん誤解されやすい場所でもあります。

なぜ日記こそ暗号化が要るのか——その背景は、日記アプリのプライバシー徹底検証で踏み込んで書いています。

価格と暗号化の仕様は2026年4月時点で各社のセキュリティページを照合したものです。購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

「暗号化されています」の3つの意味

同じ言葉が、まったく別の3つの仕事を指しています。そして多くのベンダーは、そのあいまいさにそっと乗っかってきます。

通信時の暗号化(TLS) は、スマートフォンとサーバーのあいだを日記が往復する数秒のあいだ、盗聴を防ぐ仕組みです。

まともなアプリならどこでも備わっていますし、これはプライバシー機能というより、現代のWebの最低限の前提と言ったほうが近いものです。会社自身から日記を守ってくれるわけではありません。

保存時の暗号化 は、会社のサーバー上のデータベースを外部攻撃から守ります。

ただし復号鍵は会社が握っていて、社員も——一部の会社では実際に明言されているとおり——トラブルシューティングのために中身にアクセスできます。日記用途で使われるアプリだと、Notionが一番よくある例です。

エンドツーエンド暗号化(E2EE) は、あなたしか持たない鍵で、端末から出る 前に 日記を暗号化します。

会社のサーバーに届くのは、意味のない暗号文だけ。その会社のエンジニアでさえ、読もうと思っても、裁判所から命じられても、あなたの日記を読むことはできません。

会社が「理論上、読めない」のがエンドツーエンド暗号化。会社が「読みません」と約束しているだけなのは、ただのプライバシーポリシーです。

ここから挙げる4つは、仕組みがきちんと文書化されたE2EEを備え、この基準を余裕で満たします。

ただ、調べた他のアプリの大半は満たしていません。新興アプリの中にも「謳ってはいるけれど、まだ確信を持って検証できる材料が足りない」ものがあります。次から、4本を1つずつ見ていきます。


4本のアプリを詳しく見る

OwnJournal ── 「会社が何も持たない」設計の総合No.1

💚 無料プランでもE2EE対応 · Plusは年額19.99ドル
  • 価格: 無料プランで日記は無制限、E2EEも含まれます。Plusは年額19.99ドルでAI気分分析とPDF/Wordエクスポートを追加。
  • 対応プラットフォーム: Web、Android、デスクトップ(Electron)。iOS版は開発中。
  • エンドツーエンド暗号化: デフォルトで有効、無料プランも対象。AES-256-GCM を使用し、鍵はパスワードからPBKDF2(10万回以上のイテレーション)で導出。
  • データ保存先: あなた自身のクラウド ── Google Drive、Dropbox、iCloud Drive、またはNextcloud。OwnJournalのサーバーは日記を一切保持しません。
  • オープンソース: はい、AGPL-3.0(フルスタック)。
OwnJournal app screenshot

OwnJournalは、ここに挙げた他のアプリと根っこから違う考え方で動いています。

日記を暗号化して会社のサーバーに保管する——のではなく、そもそも何も保管しません。暗号化された日記は、あなた自身のGoogle Drive、Dropbox、iCloud Drive、またはセルフホストのNextcloudに直接同期されます。

会社は何も持ちません。暗号文も、鍵も、メタデータも。もしOwnJournalが明日なくなっても、日記はあなたのDriveフォルダに残り続けます ── 暗号化されたまま、あなただけが読める形で。

コードベース全体はAGPL-3.0で公開されています。

つまり、暗号化の主張が「うちを信じてください」式のマーケティングではなく、ソースを読める人なら誰でも独立して確かめられるということ。今回取り上げる他のアプリの大半は、マーケティングページに暗号化の仕組みは載せていますが、実際に動いているコードがその説明どおりかを外から確かめる手段はありません。

正直に書いておきたい注意点。

OwnJournalは新しいプロジェクトで、まだ第三者による正式な監査は受けていません。iOSクライアントも開発中なので、iPhoneしか使わない方には現段階ではおすすめしきれません。

無料プランは日常の日記には十分使えますが、AI分析や整ったエクスポート形式は年額19.99ドルのPlusプランに含まれます。

✅ 無料プランの内容⚠️ 注意点
無制限の日記+E2EEiOSクライアントはまだ未リリース
自分のクラウドに保存(Drive/Dropbox/Nextcloud)第三者のセキュリティ監査はこれから
気分トラッキング、タグ、Markdownコミュニティは小規模 ── 活発だがまだ初期
マルチデバイス同期、オフラインモードAI機能とPDF/Wordエクスポートは有料
JSONバックアップのエクスポート

こんな人におすすめ: ベンダーへの信頼に頼らず、仕組みそのものから確かめられるプライバシーが欲しい方。とくにAndroid、Linux、自分でホスティングしたい方。

向いていない人: iPhoneがメイン端末で、今日すぐ動くiOSクライアントが必要な方。第三者の監査と長い運用実績がある製品を重視する方。

↓ 比較表でOwnJournalを見る


Day One ── 主流アプリで「書き心地」と「監査」を両立

💙 無料のBasicでもE2EE · Silver年額49.99ドル · Gold年額74.99ドル
  • 価格: Basic(無料)にE2EEが含まれます。Silverは年額49.99ドルでマルチデバイス同期とメディア無制限を追加。Goldは年額74.99ドルでAI振り返り機能を追加。
  • 対応プラットフォーム: iOS、iPadOS、macOS、Android、Windows(2025年3月対応)、Web。Linuxクライアントはなし。
  • エンドツーエンド暗号化: 全プランでデフォルト有効。AES-256-GCM + RSA-2048 による鍵ラッピング。アーキテクチャは2017年にnVisiumが監査しており、その後は更新されていません。
  • データ保存先: 会社のサーバー(AWS)。
  • オープンソース: いいえ、プロプライエタリ。
  • 運営元: Automattic(WordPressの親会社、2021年6月に買収)。
Day One app screenshot

このカテゴリーでいちばん厚く文書化されているのが、Day Oneです。

公開ホワイトペーパーでは、入れ子になった鍵の階層が説明されています。各日記は専用のAES-256-GCM鍵で暗号化され、その鍵は日記帳ごとのRSA-2048公開鍵でラップされ、さらにボルト鍵、最上位のアカウントマスター鍵と順に重ねてラップされます。

マスター鍵はDay Oneのサーバーには触れず、デフォルトではiCloud Keychainに保存される設計です。

実はE2EEは、現在のDay Oneの料金ページでBasic(無料)プランの機能として明記されており、有料の壁はもうありません。

そしてアーキテクチャ自体は2017年にnVisiumのレビューを受けています。今回取り上げた主流の日記アプリで、第三者監査を公開しているのはDay Oneだけ ── ただし9年前のレポートが更新されていない、というのは正直に書いておきたいところです。

トレードオフはクローズドソースであることと、運営会社への依存です。

Day Oneは2021年からAutomatticが所有するプロプライエタリなコードで、説明されたアーキテクチャがサーバー上で実際に動いているコードと一致している、という前提を信じることになります。書き心地はこのカテゴリーでも一級品で、マルチメディア日記、過去の日記をふと差し戻してくれる「On This Day」、他のアプリにはない製本サービスまでそろっています。

✅ 無料Basicの内容⚠️ 注意点
無制限の日記+E2EE同期にはSilver(年額49.99ドル)が必要
毎日の書き出しのお題、タグ、検索Linuxネイティブクライアントなし
Basicは日記1件につき写真1枚この比較で最も高額な有料プラン
エクスポート(JSON、PDF、プレーンテキスト)プロプライエタリ ── 検証は信頼に依存
nVisium監査済みアーキテクチャ(2017年)Android版はiOS版より機能が少なめ

こんな人におすすめ: 第三者の監査を経たE2EEと最上級の書き心地を両立したい方。洗練されたアプリにきちんと課金できる方。

向いていない人: Linuxをメイン端末として使う方。オープンソースで自分の目で確かめたい方。iOSと同水準のAndroid体験が必要な方。

↓ 比較表でDay Oneを見る


Apple Journal ── Apple派なら、設定なしでデフォルトがそのままE2EE

💚 完全無料 · 有料プランは存在しない
  • 価格: 無料。iOS、iPadOS、macOSに組み込み。
  • 対応プラットフォーム: iPhone、iPad(iPadOS 26以降)、Mac(macOS Tahoe以降)。2025年にiPhone・iPad・Macの3プラットフォームへ拡大。Android、Windows、Webには非対応。
  • エンドツーエンド暗号化: 二要素認証+端末パスコードという条件で、デフォルトで有効。Advanced Data Protectionは不要。
  • データ保存先: iCloud。
  • オープンソース: いいえ。
  • 運営元: Apple Inc.
Apple Journal app screenshot

Apple Journalは、初期設定のままで本当にプライベート、という珍しいケースです。

AppleのJournaling Suggestionsに関するプライバシー文書では、はっきりこう書かれています ──「標準の二要素認証とパスコードが設定されていれば、Journalに書かれたすべての日記はiCloud上でエンドツーエンド暗号化され、Appleであっても読むことはできません」。

Apple Journalは、Advanced Data Protectionなしでもデフォルトでエンドツーエンド暗号化される、数少ないiCloud機能のひとつです。要件は二要素認証と端末パスコードだけ。

アプリ自体は2023年のiPhone限定スタートから、2025年にはiPhone・iPad・Mac対応へと広がりました。

同期はiCloudが担い、3つの端末すべてで暗号化は一貫しています。インターフェースは意図的にミニマルで、未完成というより「あえてそうしている」印象。写真・ワークアウト・音楽をもとに書くタイミングをそっと提案するオンデバイスの機械学習を備えつつ、設定項目はほぼ露出していません。

ただ、その裏返しが囲い込みです。

Android、Windows、Webには非対応。Appleエコシステムを離れた瞬間、日記を意味のある形で持ち出すのは難しくなります。エクスポート機能もDay OneやOwnJournalに比べれば限定的です。

✅ 無料プランの内容⚠️ 注意点
2FA+パスコードでデフォルトE2EEAppleエコシステム限定
課金圧ゼロエクスポート機能が限定的
オンデバイスのAI提案タグやカテゴリーなし
Face ID / Touch IDによるアプリロック「On This Day」的な振り返り機能なし
iCloudによるApple端末間同期クローズドソース

こんな人におすすめ: Appleエコシステムの中で完結していて、設定なしで初期状態からプライベートな状態が欲しく、サブスクリプションに振り回されたくない方。

向いていない人: Android、Windows、Linux、Webをメインにしている方。豊富なエクスポート機能やタグが欲しい方。

↓ 比較表でApple Journalを見る


Journey ── Linuxまで網羅する唯一のE2EE日記

💛 E2EEは Cloud Sync でオプトイン · Membership年額49.99ドル
  • 価格: 無料プランあり。Membershipは月額6.99ドルまたは年額49.99ドルでクロスプラットフォーム同期を解禁。
  • 対応プラットフォーム: iOS、Android、macOS、Windows、Linux、Web。今回の比較でLinuxネイティブクライアントがあるのはここだけ。
  • エンドツーエンド暗号化: Journey Cloud Sync でオプトイン。テキストはRSA、メディアはAES。有効化するとAI検索は無効になります。
  • データ保存先: あなたのGoogle Drive、Journey Cloud Sync、またはセルフホスト。
  • オープンソース: 一部 ── セルフホスト用の同期サーバーはCC-BY-NC-SA。クライアントはプロプライエタリ。
  • 運営元: Two App Studio Pte. Ltd.(シンガポール)。
Journey app screenshot

iPhone、会社のWindowsノート、自宅のLinuxマシン——この3つを行き来しながら書く人にとって、Linuxネイティブアプリがあるかどうかは大きな分かれ目になります。

今回のリストでその条件を満たすのは、Journeyだけ。

E2EE自体の設計もしっかりしていますが、ここで肝心なのは「有効にしたとき」という条件です。

Journeyでは、エンドツーエンド暗号化はJourney Cloud Syncのオプトイン機能になっています。設定したパスフレーズで各端末上のコンテンツを復号する仕組みで、失くしてしまうと復旧できません。

ちなみにJourneyは、E2EEをオンにすると検索機能が使えなくなる(サーバー側でインデックスを作れなくなるため)こと、サーバー側で本文を読むAI機能も動かなくなることを、はっきり案内しています。

これはE2EEを真面目にやれば必ずぶつかるトレードオフで、Journeyはそれを隠さずに正面から提示している、とも言えます。

ちなみにデフォルトの同期先はGoogle Driveで、この場合Journeyのサーバーには日記は保存されず、自分のDriveアカウントに残る形になります。

E2EEを有効にしなくても、仕組みとしてはOwnJournalに近いプライバシー上の利点があるわけです。ただしその場合の暗号化の強度は、JourneyではなくGoogle Drive側の仕様に左右されます。

✅ 無料プランの内容⚠️ 注意点
基本的なテキスト入力、合計60件まで無料プランは実質お試し
モバイル+WebE2EEはオプトインでデフォルトではない
Google Drive同期オプションE2EE有効時は検索とAIが無効
AIクエリは1日10回までパスフレーズ紛失=日記は復旧不可
ガイド付きの書き出しのお題クライアントはプロプライエタリ

こんな人におすすめ: Linuxが必要な方。Windowsネイティブアプリを使いたい方。オプトインのE2EEを自分の手で管理できる方。

向いていない人: 設定なしでデフォルトから暗号化されていてほしい方。日記の検索やAI機能を頻繁に使う方。

↓ 比較表でJourneyを見る


読み進める前に

プライバシーが気になってこの記事にたどり着いたなら、次の2本も一歩踏み込んだ内容になっています。

番外編:日記にも使える、暗号化が強力なメモアプリ

ここから挙げるのは厳密には日記アプリではなく、メモアプリです。

ただ、暗号化のアーキテクチャがどれも強力で、「監査済みのゼロ知識プライバシーが何より優先」という方のために、名前を出しておく価値があります。

Standard Notes ── 監査の厚みでは群を抜く

  • 価格: 無料プランでプレーンテキストの日記にE2EE。年額約90ドルからのProductivityプランでエディタ、ファイル、上位機能を追加。
  • 対応プラットフォーム: iOS、Android、macOS、Windows、Linux、Web。
  • エンドツーエンド暗号化: 常時デフォルト有効。XChaCha20-Poly1305 と Argon2 による鍵導出。
  • 監査: Trail of Bits、Cure53、Shackle Labs による第三者監査を実施。
  • オープンソース: はい。クライアントとサーバー両方。
  • 運営元: 2024年4月にProton AGが買収 ── 現在はスイス管轄、Proton Mailと同じ暗号化思想で運営。

今回取り上げる全アプリの中で、独立監査の実績がいちばん厚いのがStandard Notesです。

「監査済みのゼロ知識」が譲れないなら、これがゴールドスタンダード。ただ正直に言えば、これは「日記にも使えるメモアプリ」であって、「On This Day」やマルチメディア日記のような日記特化の機能はありません。

こんな人におすすめ: 監査済みのゼロ知識暗号化が最優先で、メモアプリを日記用に使いこなせる方。

向いていない人: 過去の日記の振り返り、写真中心の日記、気分トラッキングといった日記らしさを最初から欲しい方。

↓ 比較表でStandard Notesを見る

Obsidian(Obsidian Sync 併用) ── 暗号化を自分の目で確かめられる

  • 価格: ローカル利用は無料。Obsidian Syncは年払いで月額4ドル相当、E2EE同期を追加。
  • 対応プラットフォーム: Windows、macOS、Linux、iOS、Android。データはローカルのMarkdownファイルとして保存。
  • エンドツーエンド暗号化: Sync利用時はデフォルト有効。AES-256-GCM、scryptによる鍵導出、HKDF を使用。Obsidianは暗号化を自分で確かめるための検証ガイドも公開しています。
  • オープンソース: コア本体はクローズドソースだが、プラグインAPIはオープン。Syncはクローズド。
  • 運営元: Dynalist Inc.

Obsidianがこの比較で際立つのは、暗号化を公開ガイドに沿って自分で確かめられる点 ── クローズドソース製品にしては珍しい透明性です。

ただし、そもそもObsidianは個人向けの知識管理ツールが本業で、日記は「デイリーノート」プラグインで実現する形になります。書き出しのお題や振り返りカードのような日記アプリの「気持ちよさ」は、自分で組み立てる必要があります。

こんな人におすすめ: プレーンテキストのMarkdownが苦にならず、主要プラットフォームすべてで自分で検証できるE2EEを使いたいパワーユーザー。

向いていない人: プラグインやVaultの設定なしに、箱から出してすぐ使える日記アプリが欲しい方。

↓ 比較表でObsidianを見る


6本まとめて見比べる比較表

アプリE2EEの状態価格対応プラットフォームオープンソース第三者監査
OwnJournalデフォルト、無料プランも対象無料 / 年額19.99ドルWeb、Android、デスクトップ。iOS開発中はい(AGPL-3.0)まだなし
Day Oneデフォルト、無料Basicも対象無料 / 年額49.99〜74.99ドルiOS、iPadOS、macOS、Android、Windows、Webいいえあり(nVisium、2017年)
Apple Journal2FA+パスコード下でデフォルト完全無料iPhone、iPad、Macいいえ該当なし
JourneyCloud Sync でオプトイン無料(制限あり) / 年額49.99ドルiOS、Android、macOS、Windows、Linux、Web一部(サーバーのみ)なし
Standard Notes常時デフォルト無料 / 年額約90ドル〜iOS、Android、macOS、Windows、Linux、Webはいあり(Trail of Bits、Cure53)
Obsidian SyncSync利用時はデフォルト月額4ドル(年払い)Windows、macOS、Linux、iOS、AndroidプラグインAPIのみ検証ガイドを公開

まだ様子見:注目している新興アプリ

以下のアプリも、E2EEやゼロ知識暗号化を掲げています。

ただ、アーキテクチャの公開文書は前述の4本ほど厚くありません。現時点では検証が追いついておらず、同じ信頼度ではおすすめしきれない、というのが正直なところです。

DeepJournal ── AIに振った日記アプリで、「エンドツーエンド暗号化された同期」と「Confidential AI」のインサイトを謳います。暗号化アルゴリズム、鍵導出、第三者監査のいずれも、公式サイトには記載がありません。無料プランあり、Plusは月額20ドル。

CortexOS ── iOS専用で、AES-256-GCM、Argon2id による鍵導出、ハードウェアベースの鍵保管、MetaのLlama 3.2によるオンデバイスAIを組み合わせたゼロ知識アーキテクチャを掲げています。ユーザー基盤は小さめで、公開された第三者監査はまだありません。無料プラン、月額9.99ドル、または買い切り199.99ドル。

どちらも、自分の端末で使えるようになったら慎重に試してみる価値はあります。公開文書が充実するか、第三者監査が出た段階で、あらためて取り上げます。


「プライバシー」を掲げているのに、実はE2EEではないアプリ

ここから挙げるのは、「プライベート」「安全」と訴求しつつ、実際にはE2EEを提供していないアプリです。

プライバシーを最優先するなら、上のリストから選んでください。

Stoic ── 公式ページには「安全な保存」「デバイスバックアップ」といった文言が並びますが、E2EEは明記されておらず、アーキテクチャを示すセキュリティページもありません。マーケティング文だけで暗号化されている、と判断しないことです。

Daybook ── データはDaybookのクラウドへ「通信時に」暗号化されると書かれています。これは通信時の暗号化であってエンドツーエンドではなく、鍵はDaybook側が持ったままです。

Daylio ── 端末内のアプリ専用ディレクトリにデータを保存し、Google DriveやiCloud経由で同期。端末レベルのプライバシーは強いものの、E2EEはなく、暗号化の強さはDaylio自身ではなく、DriveやiCloudの設定に依存します。

Diarium ── パスワードで保護されたローカルストレージと、自分のOneDrive・Google Drive・Dropboxを介した同期を提供。Diariumがクラウドにデータを持たないという意味でプライバシー寄りですが、E2EEのアルゴリズムは文書化されていません。設計の方向性は良いものの、厳密な意味での「E2EE」とは言えません。

Notion ── 保存時も通信時も暗号化されますが、鍵はNotion側が保持し、社員もトラブルシューティングのために顧客コンテンツにアクセスできると明記されています。Notionを日記に使っている場合は、Notionで日記を始める完全ガイドで回避策を取り上げており、プライバシーガイドでは「センシティブな内容には向かない」理由を踏み込んで書いています。


結局、どれを選べばいいのか

プライバシーが絶対に譲れないなら:OwnJournal を選んでください。ゼロ知識+BYOS(Bring Your Own Storage)設計により、会社は何一つ持ちません。AGPL-3.0でコードが公開されているので、プライバシーの主張が「約束」ではなく「確かめられる事実」になります。

主流アプリの洗練と監査済みE2EEを両立したいなら:Day One。書き心地はこのカテゴリーで最上級、アーキテクチャもいちばん厚く文書化されています。マルチデバイス同期は有料前提です。

完全にAppleデバイスで、設定ゼロで済ませたいなら:Apple Journal。永久に無料、デフォルトでE2EE、必要なのは2FAとパスコードだけ。

Linux、Windows、クロスプラットフォームが必要なら:Journey。サインアップ直後にCloud Syncを有効化し、E2EEをオンにしておきましょう。引き換えに検索機能は使えなくなる、という点は覚悟しておいてください。

監査済みのゼロ知識が最優先で、メモアプリを日記用に使いこなせるなら:Standard Notes。Trail of BitsとCure53による監査、Protonによる買収と合わせて、検証の厚みは群を抜きます。

今夜、ひとつだけ試してみるなら

いま使っている日記アプリの設定を開いて、「エンドツーエンド暗号化」「ゼロ知識」「同期前に暗号化」といった言葉を探してみてください。

設定があってオフになっているなら、オンに切り替える。それだけで、明日からの「書く側」の安心感は静かに変わります。

そもそも設定自体がないなら、日記の中身は会社側が読める状態だ、ということ。上で挙げた4本のどれでも、5分ほどでセットアップと移行は終わります。

書く相手が「自分だけ」になれば、書ける本音の濃さも変わってきます。

よくある質問

2026年時点で本当にエンドツーエンド暗号化されている日記アプリはどれですか?

仕組みの資料までそろっているエンドツーエンド暗号化を備えた日記アプリは4つ ── OwnJournalDay OneApple JournalJourneyです。OwnJournal、Day One、Apple Journalは無料プランも含めてデフォルトで有効、Journeyのみ Cloud Sync でのオプトインです。DeepJournalやCortexOSのような新興アプリもE2EEを謳いますが、公開資料は上の4つほど厚くありません。多くの日記アプリは通信時や保存時の暗号化どまりで、鍵は会社側が持っています。

「暗号化」と「エンドツーエンド暗号化」はどう違うのですか?

暗号化には3つの意味があります。通信時の暗号化(TLS)は送受信中を守りますが、サーバー上では会社が中身を読めます。保存時の暗号化はデータベースを守りますが、鍵は会社が持ち、社員もトラブルシューティングで中身にアクセスできます。エンドツーエンド暗号化は端末から出る前に暗号化し、復号できるのはあなただけ。会社自身に日記を読ませないのはE2EEだけです。

Apple Journal はエンドツーエンド暗号化されていますか?

されています ── Apple IDの二要素認証が有効で、端末にパスコードを設定していることが条件です。Appleのプライバシー文書では、その条件下でJournalの日記はiCloud上でエンドツーエンド暗号化され、Appleでも読めないと明記されています。Advanced Data Protectionの有効化は不要です。

無料プランでもエンドツーエンド暗号化は使えますか?

Apple Journal、Day One Basic、OwnJournalの3つは、無料プランでもE2EEが有料の壁なしで使えます。JourneyのE2EEは Journey Cloud Sync を使う必要があり、有効化自体は無料ですが、有効にするとAI検索が使えなくなります。2026年時点で、暗号化そのものに課金する理由はありません。

暗号化キーをなくしてしまったら日記はどうなりますか?

エンドツーエンド暗号化された日記アプリでマスターパスワードや鍵を失うと、日記は復旧できません ── それがゼロ知識設計の狙いでもあります。OwnJournal、Day One、Journeyはどれも明示的に警告しています。Apple JournalはApple IDのアカウント復旧を通じて鍵を取り戻す仕組みで、2FAの有効化がE2EEの条件になっているのはこのためです。

オープンソースの日記アプリの方がプライベートですか?

オープンソースとプライバシーはイコールではありませんが、オープンソースだとプライバシーの主張を独立して確かめられます。今回のリストで完全にオープンソース(AGPL-3.0)なのはOwnJournalだけです。Day One、Apple Journal、Journeyはプロプライエタリで、暗号化の仕組みは公開文書で説明され、Day OneはnVisiumの監査も受けていますが、コード自体を外から確認することはできません。