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Notion 日記の作り方|データベースとテンプレート設定の完全ガイド

Notionで日記を続ける具体的な手順を解説。データベース、テンプレート、ビュー、ダッシュボードまで、無料で組める設定の完成形をまとめました。

Notion 日記の作り方|データベースとテンプレート設定の完全ガイド

仕事もメモもプロジェクトもNotionに集約しているのに、日記だけ別のアプリ——そのたびに行き来して、なんだか面倒に感じたことはありませんか。

ワークスペースをまたぐと、書き始めるまでの数秒が積み重なって、いつのまにか「今日はいいか」になってしまう。

本記事では、Notionを日記として使うための具体的な設定を、データベースからテンプレート、ダッシュボードまで順番に解説します。

PennebakerやSmythの研究をふまえつつ、何か月も使いながら整えてきた完成形を共有します。

くわしく見ていきましょう。

なぜNotionで日記を書くのか

そもそもNotionは日記アプリとして作られたものではありません。それでも、もとからNotionで仕事や暮らしを回している人にとっては、同じ場所で日記を書ける利点はかなり大きいといえます。

  • すべてが一か所に集まる:タスク、メモ、プロジェクトの隣に日記が並ぶ
  • データベースが強力:フィルタや並べ替え、傾向の見える化が、専用アプリではまずできない深さでできる
  • 無料プランで十分まかなえる:紹介する設定はすべて無料プランの範囲で組める
  • 自分仕様に整えられる:足したいものを足し、要らないものを省ける

逆にいえば、まだNotionを使い慣れていない人にとっては、日記のためだけにNotionを覚えるのは少し遠回りかもしれません。

「構造のある日記」は本当に効くのか

精巧なNotion設定を組む前に、ひとつ立ち止まって考えてみたいことがあります。テンプレートやプロパティといった「型」は、本当に効果に関係しているのでしょうか。それとも、白紙のページに書くのと変わらないのでしょうか。

実は、研究を見ていくと、構造があるかどうかでけっこう違いが出るとされています。

expressive writing(表現的筆記)の出発点となったのは、心理学者James Pennebakerとサンドラ・ビールが1986年に Journal of Abnormal Psychology で発表した研究です。感情的な体験を決まった枠組みに沿って書いた参加者は、表面的な話題を書いた参加者と比べて、その後の身体的な健康に測定可能な変化が見られたと報告されています。鍵になったのは「書くこと」そのものよりも、「振り返りを導く形式」だったわけです。

1998年には、Smythが Journal of Consulting and Clinical Psychology13件の表現的筆記研究をまとめたメタ分析を発表しました。健康指標への効果量は中程度(d ≈ 0.47)。その後のレビューでも、はっきりした問いかけと一定のタイミングを伴う書き方のほうが、自由放任の書き方より安定した効果が出やすいと示唆されています。

ポイント:Notionで組むデータベースのプロパティ、テンプレート、問いかけは、ただの整理用ではなく、日記そのものを効きやすくする「枠組み」でもある可能性があります。

感謝の要素についても、別の研究の蓄積があります。EmmonsとMcCulloughが2003年に Journal of Personality and Social Psychology で報告した研究では、構造化された感謝リストを書き続けたグループのほうが、中立的・否定的な出来事を記録したグループより主観的なウェルビーイングが高かったとされています。後ほど紹介するテンプレートに「感謝できることをひとつ」を入れているのは、こうした実証的な裏付けがあるからです。

書く形式の違いをもう少し深く知りたい方は、自由筆記とガイド付き日記の違いで研究の整理を読めます。

ただ、研究はあくまで「平均的な傾向」の話。自分にしっくりくる枠を見つけるまでは、少し試行錯誤が必要になります。

実際に組み立てていく

ステップ1:データベースを作る

Notionで「日記」という名前のフルページデータベースを新規作成します。インラインではなくフルページにするのは、サイドバーにピン留めして、ワンクリックで開ける入口にするためです。

プロパティは次のように設定します。

  • 日付(Date):書いた日付。デフォルトを「今日」にしておくと、新規作成のたびに自動で当日の日付が入る
  • 気分(Select):元気/普通/疲れ気味/不安/活力あり/穏やか。色を割り当てると一覧でぱっと見やすい
  • エネルギー(Number、1〜10):その日の体力・気力。あとでグラフ化できる
  • タグ(Multi-select):仕事、プライベート、健康、人間関係、目標、感謝。後で強力なフィルタになる
  • 文字数(Formula):式は length(prop("Content"))。数字が積み上がるのを見るだけで、不思議と続ける動機になる
  • 季節(Formula、任意):日付から季節を算出する式を入れておくと、季節ごとの気分の傾向に気づきやすくなる

ステップ2:テンプレートを作る

データベース内で「新規」ボタン横のドロップダウン矢印をクリックし、「新規テンプレート」を選びます。名前を「毎日の日記」にし、以下の問いかけをあらかじめ入れておきます。

朝のチェックイン

  • いま、どんな気分か
  • 今日意識したいこと
  • 感謝できることをひとつ

夜の振り返り

  • 今日うまくいったこと
  • しんどかったこと
  • 覚えておきたいこと

もうひとつ、「週次レビュー」というテンプレートも作っておくと使い分けがききます。問いかけは「今週、どんなパターンに気づいたか」「来週、変えたいことは何か」など。複数の枠を用意しておくと、その日の気分や時間に合わせて選べます。問いかけ自体を増やしたい人は、メンタルヘルスのための日記の問いかけが役に立ちます。

ステップ3:ビューを設定する

同じデータベースに、目的の違う複数のビューを作っておきます。

  • カレンダービュー:月単位で日記が見える。書けなかった日が一目でわかる
  • ギャラリービュー:最近の日記が視覚的に並ぶ
  • テーブルビュー:分析用。気分で並べ替えたり、タグで絞ったり、傾向を探したりできる
  • ボードビュー:気分ごとにグループ化して、時期による変化を見渡せる

ステップ4:ダッシュボードを組む

日記の入口になる別ページを「ダッシュボード」として用意します。

  • 今週の日記だけを表示するリンクドビュー
  • 「感謝」タグでフィルタしたリンクドビュー(落ち込んだ日に開く用)
  • 今日の日付で新しい日記を1クリックで作るボタン
  • 月間まとめのセクション

ここまで作ると、「日記アプリ」ではなく「自分専用の振り返りツール」に近づいてきます。

続けるための小さなコツ

続くかどうかは、設定の精巧さよりも「書き始めるまでの摩擦」で決まります。

サイドバーに固定する

書き始めるまでに2クリック以上かかると、続きません。モヤモヤを書きたいときに、ページを探している途中で気持ちが冷めてしまうのがいちばんもったいない。

スマートフォンアプリを使う

毎日のリマインダーから、日記データベースに直接飛べるディープリンクを仕込んでおきましょう。電車の中、寝る前のベッドの中、ふっと書ける状況は意外と多いです。

作り込みすぎない

最初から完璧を狙わないこと。プロパティもビューも、あとからいくらでも足せます。よくある失敗は、精巧なシステムを作り上げて満足し、肝心の日記を書かなくなるパターン。

3つの問いかけだけで始めたい人は、5分日記の方法が相性がよいです。

週に一度、読み返す

日曜の夜などに5分だけ、その週に書いたものを読み返します。データベースで日記を書く本当の価値は、ここで初めて立ち上がってきます。

書いた瞬間には気づかなかった気分の波や、自分が同じところでつまずいているパターンが、見え方を変えて浮かんでくる。読み返す習慣がメタ認知(metacognition)を育てる仕組みは、日記とメンタルヘルスのガイドで解説しています。

注意しておきたい弱点

Notionは万能ではありません。日記用として使うときに引っかかる点を、正直に挙げておきます。

  • エンドツーエンド暗号化がない:日記はNotionのサーバーに暗号化されない形で保存されます。プライバシーを最優先したいなら、エンドツーエンド暗号化を備えたDay Oneのような専用アプリも検討する価値があります
  • オフラインが弱い:オフラインモードは改善されてきましたが、専用日記アプリほど安定していません
  • 道具感が強い:日記のような内面的な行為に、Notionのインターフェースは少し重く感じる人もいる

とはいえ、これらは「向き不向き」の話であって、向いている人にとっては圧倒的に便利な道具です。

注意:深く個人的な内容(過去のトラウマ、家族関係、性、健康の悩みなど)を書く予定があるなら、Notionではなくエンドツーエンド暗号化のある専用アプリを選んだほうが安心です。プライバシー設計の比較は日記アプリのプライバシーガイドにまとめています。

さらに使い込むためのテクニック

1か月ほど続けて、書く習慣が落ち着いてきたら、もう一段踏み込んだ使い方を試してみてください。

リンクドデータベースで文脈をつなぐ

プロジェクトページの中に、日記データベースのリンクドビューを置きます。大きな案件に取り組んでいるとき、タスクの横に気分やエネルギーの記録が見えていると、「自分はどの状態でいちばん良い仕事をしているか」がじわじわ見えてきます。

数式で連続記録を出す

何日連続で書いているかを計算する数式プロパティを足してみましょう。連続記録は、習慣を定着させるうえでとても効きやすい仕掛けです。多くの日記アプリは標準で持っていますが、Notionは自分で組めるぶん、表示の仕方も自由に調整できます。

Notionの数式ドキュメントを参考に、前日との日付差を見るカウンターを組むこともできますし、「昨日書いたか」を「はい/いいえ」で返すシンプルな式から始めても十分です。

リレーションで「人」と「出来事」をつなぐ

別に「人物」や「感謝」のデータベースを持っているなら、日記との間にリレーションを設定できます。半年もすれば、自分にとって大切な人やテーマの、検索できる地図が手元に残ります。

ロールアップで月次サマリーを作る

リレーションを組んだあとは、ロールアップで集計ができるようになります。月ごとの平均気分、合計文字数、最も多かったタグ──そういった指標を「月間サマリー」データベースで自動的に積み上げていけます。

この長期トラッキングこそ、Notionが専用日記アプリを上回るポイントです。ほとんどの日記アプリは「1日分のページ」を見せるだけですが、Notionは週・月・季節という時間軸での変化を一望できます。

週次レビューのテンプレート

直近7日間のリンクドビューを自動で取り込む、週次レビュー専用のテンプレートを用意します。「今週、どんなパターンに気づいたか」「来週、変えたいことは何か」といった問いかけを添えておくと、書き終わった日記がただの記録から振り返りの場に変わります。

つまり、書いたものをためるだけではなく、定期的に読み返す仕組みが入って初めて、Notion日記は本領を発揮するということです。

結論

Notionは、すでにNotionを使っている人にとっては、日記ツールとしても優れた選択肢です。データベース機能を活かせば、専用アプリでは届かない深さの振り返りができます。

ただ、まだNotionを日常的に触っていない人にとっては、日記のためだけに覚えるのは少し遠回り。専用アプリのほうが、設定もほぼ要らず、すぐに書き始められます。比較したい方は、日記アプリのおすすめ比較を読んでみてください。

プライバシーを気にしている方は、日記アプリのプライバシーガイドで各アプリの暗号化状況を整理しています。

結局のところ、日記とは「自分のために用意する小さな時間」のことです。

今夜、寝る前の3分でかまいません。Notionを開いて、「日記」という名前のフルページデータベースを作り、日付・気分・タグの3つのプロパティだけ追加してください。テンプレートに問いかけを3つ入れて、最初の1行を書く。プロパティやビューは、続けながら少しずつ足していけば大丈夫です。

よくある質問

Notionは日記に向いていますか?

ふだんからNotionを使っているなら、日記用としても十分に使えます。データベース機能でフィルタや並べ替え、傾向の見える化ができる点は、専用日記アプリにはない強みです。ただ、エンドツーエンド暗号化がなく、オフライン機能も限定的なので、プライバシーやオフライン利用を最優先する人には不向きな面もあります。

Notionの日記は無料で使えますか?

はい。個人利用ならNotionの無料プランで一通り組めます。ページとブロックが無制限のため、データベース、テンプレート、複数ビューを使った日記システムでも容量に困ることはまずありません。

Notionで日記テンプレートはどう作りますか?

日記データベース内で「新規」ボタン横のドロップダウン矢印をクリックし、「新規テンプレート」を選びます。朝のチェックインや夜の振り返りなど、あらかじめ書いておきたい問いかけを入れて保存すれば、次回からは新規作成のたびに同じ枠で書き始められます。

Notionは日記のプライバシー面で十分ですか?

Notionにはエンドツーエンド暗号化がありません。日記はNotionのサーバーに保存され、運用上はスタッフがアクセスし得る状態です。多くの人にとっては許容できる範囲ですが、深く個人的な内容を書くなら、Day Oneのような暗号化済みの専用アプリを検討する価値があります。